下地が無い壁や天井への固定~ボードアンカーの種類と使い方を解説

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自宅の壁に、棚やカーテンレール、ロールスクリーンなどを取り付けたい。
でも下地がないからビスで固定が出来ないとうお悩みはありませんか?
下地を入れるにも、大工さんやそんな工事やお金で大がかりな事はしたくない等

そんな悩みを解決するのが、「ボードアンカー」という商材です。
リフォームの現場では、非常に重宝されています。
現場監督である私自身、常に車の工具箱に入れてあり下地の無い壁に使っているんですよ。
使う上で、注意事項もあり、最後まで読んで頂ければありがたいです。
記事前半は、最近のボードアンカーの種類や特徴、記事後半は注意点や失敗回避補方法を説明します

ボードアンカー設置は難しくない知らないだけ

1. ボードアンカーは、誰でもドライバー1つで簡単な施工部材
2. リフォームのお客様にも意外と知られていない

3. 石膏ボードへの小物の固定の仕方の理解が深まる

知理 たい子

ボードアンカーって何?

かめかんとく

ボードアンカーは、石膏ボードにビスを打ち込めるように開発されたアンカーです。
知っていれば、とても重宝なものですよ。
今回の記事は、その紹介をさせて頂きます。

記事を読む前に、石膏ボードは何故ビスが効かないのか(補足)

石膏ボードは、石膏の粉を固めた板状の物です。耐火性と防音が木材に比べて優れていて、木材に比べ、20%ほどのコストになり、幅広く建物に使用されています。

粉末を固めたため、木材のように繊維構成で細かいネジ溝と絡み合い保持する特性に乏しいからです。
ですから、石膏ボードはビスやネジが効かないと言われる理由です。

かめかんとく

石膏ボードは、粉を圧縮して固めたものです。
ネジやビスの溝を穴で保持する力はありません。

目次

ボードアンカーの用途と種類

木下地が無い時の秘密兵器 確実なビス固定を約束

ボードアンカーとは、石膏ボードにビスを使って何かを固定したい時に使うアンカーのことです。
一般的には住宅の場合、木下地の間柱やベニヤにビスを打って固定していきます。
石膏ボードは粉を固めた物なので、ビスを打つとビスに引っかからず抜けてしまいます。
下地のない壁に棚やカーテンレール、ロールスクリーン等を付けている場合は、ボードアンカーをつけていることが多いです。リフォームの現場だと下地のない所にカーテン等を前の住人は付けていることが多々あります。
クロスを貼り替える時、外さないといけないので、ビスが緩くなり固定できません。
そんなときの味方がボードアンカーです。

かめかんとく

リフォームは、工事規模が限られていますが、
見積もりになくても、ちょっとした事でクレームになること

が多いです。
だから、さりげなく小さな親切?を重ね、施主へ引き渡しを行います(苦笑)

DIY女子

なるほど、さりげなくですかぁ。
でもこっちは、ありがたいですね

ボードアンカーの種類と耐荷重

スクロールできます
方式商品名下穴耐荷重
(9.5㎜ボード)
特徴必要工具
ねじ込み式カベロックスケルトン不要約21㎏透明でフランジ
が目立たない
プラス
ドライバー
打ち込み式アリゲーター必要6㎏石膏ボード以外のコンクリート等
使用可能
下穴ドリル
ハンマー
ねじ込み式ボードアンカーG4不要24㎏GL工法でも使える
4方向へ先割れして固定
プラス
ドライバー
挟み込み式エアコンボードアンカー必要56㎏エアコン等
重量物に使用
下穴ドリル
ドライバー
挟み込み式らくらくボードアンカー不要48㎏エアコン等
重量物に使用
下穴ドリル
ドライバー
挟み込み式トメラー必要24㎏T型の傘で固定下穴ドリル
ドライバー
ボードアンカーの方式による設置重量の違い

ねじ込み式は、軽量な物の固定で使われる
・挟み込み式は、重量物に対しての固定で使われる

ねじ込み式 打ち込み式

ねじ込み式の特徴

1. 簡単施工、プラスドライバー1本で徐々にねじ込むだけ 
2. 形状は巻き貝のような渦を巻いた三角形状
3. 荷重が急激に変化する物(手摺り等)には不向き

ボードアンカーには大きく分けて2種類あり、ねじ込み式と挟み込み式があります。
最もよく使うのはねじ込み式です。使いかたは、壁にドライバーで軽くぐりぐりと付けたい場所に
軽く凹み傷をつけます。そこを狙いボードアンカーをドライバーを使って押し込むようにねじ込んでいきます
比較的軽量なものを固定するのに使います。

具体的には、ペーカーホルターやタオル掛け等の軽量物です。
荷重付加が急激に変化する物(手摺り等)には不向きです。徐々に石膏ボードが弱くなるからです。

最大の特徴は、ご家庭にあるプラスドライバー1本で施工が可能です。

カベロックスケルトン 

私がよく現場でもっとも使うのはカベロックスケルトンです。また一番のオススメです。
耐荷重も優れていて、ペーパーホルダーの固定やカーテンレールの下地不足の箇所に活用しています。
リフォームで使いやすいのは、 フランジ部分が壁にめり込んだときに透明なので目立たないということです。
価格は多少高くなりますが、どこにでも使えるという安心感があります。

ボードアンカーG4

ボードアンカーG4です。特徴はビスを入れると4方向に割れて、固定をするという構造になってます。
マンション等の壁裏の狭いGL工法で納められた壁でも使えるという利点があります。

アリゲーターアンカー

アリゲターアンカーは、壁裏でアリゲーターが口を開くように固定してくれるアンカーです。
特徴は、石膏ボード以外でも使える事です。コンクリート等に穴開けした後アリゲーターを打ち込み、ネジを入れ込む事が出来ます。

挟み込み式(傘式)

挟み込み式の特徴

1. 石膏ボードにたして金具で挟み込む為、重量物の固定が可能
2. 電動工具があると作業性がよい

ネジを締め付けることによって、壁裏で傘が広がるように4方向へ足を踏ん張りボードを挟み込む形で固定
行います。

かめかんとく

挟み込み式は、穴(点)で保持するねじ込み式と比べ、
4方向への広い挟み込みで強力な保持力を発揮します

エアコンボードアンカー

その名の通り、エアコンをボードに固定するアンカーです。
エアコンを壁に取り付けるベース板を固定するアンカーになります。
他の物に比べると保持力が格段に大きいです。下地がある場合は下地に固定ビスを打ちますが、下地が無い場合の
補助具として使います。

らくらくボードアンカー

エアコンボードアンカー同様、重量物に対して石膏ボードのアンカーを設置したいときに使います。
このタイプは4方向に傘を開き石膏ボートと一体化する形で強度を保持します。
個人的には、インパクトドライバーやドリルドライバー等で完結するらくらくボードアンカーが使いやすいと思います。

トメラー

樹脂製の挟み込みタイプになります。
耐荷重はねじ込み式とあまり差は、ありません。
個人的には、あまり使う事はありませんね。作業効率や耐荷重の関係で現場で半端な立ち位置です

ボードアンカーの施工方法説明

STEP

下穴を開ける(もしくは中心に凹みを付ける)

錐(錐)や細いドリルでアンカーの下穴を開けます。
ボードアンカーにもよりますが、下穴なしという場合でも軽くドライバーの先端を回しながら押し込み壁に凹みを付けるとステップ2がやりやすいです。

STEP

ボードアンカーをボードに入れ込む(ねじ込む)

プラスドライバーで、ねじ込みます。手動のドライバーでゆっくりと押し回してください。
アンカーの面が、ボードの面とほぼ同じ高さになるよう施工してください。

STEP

固定物にビスを入れアンカーに入れ込む

固定したい物をビスにセットしながら、ボードアンカーにビスを打ち込んでいきます。

STEP

固定物を固定する

徐々に締め込んでいき(このときは、インパクトドライバー等の使用OKです)、最終的には手動のドライバーで締め込み完了
最後手動で行うのは、石膏ボードへの過負荷防止のためです

ボードアンカーを使用してはいけない設置物や場所

天井への設置施工はNG

ボードアンカーは、原則天井への施工は禁止(NG)です。
理由は、落下の危険性があるからです。
耐荷重が、20㎏あるから、20㎏のシーリングファンを取り付けるのは辞めてください。
本来は、木下地のある場所にビス留めするのが原則で、ボードアンカーは補助具と考えて頂きたいです。

シーリングファン
天井付け物干し等

稼働付加がが大きく働く箇所の設置はNG

瞬間的に大きく力が働く物の固定は止めてください。
具体的には、手摺りや手摺りを兼務したペーパーホルダーです。(立ち座りで毎日力が何回も掛かる箇所)
理由は、アンカーを止めているボードの支えが徐々に弱くなり、最後にすっぽ抜けるからです
ご老人の家で時折事故に繋がる例があるので注意してください。

元々の重量が大きな物

時折あるのですが、はじめは軽い本棚ですが徐々に本が増え始め最後に床に落下したケースがあります。
本は重たい物であり、数が増えれば相当の重量になりますよね。

ボードアンカー施工失敗例

アンカーに合った径のビスを使う(基本全ネジ仕様)

アンカーに適した径範囲でビスを使用してください。
意外と感覚でやって径に合わず失敗する場合があります。(私もそのうちの一人です。苦笑)
また、ネジは先がとがったものの仕様で(打ち込みがスムーズです)
固定したい物の厚みとアンカーの奥行きプラス12㎜~20㎜を目安にビスの長さを選んでください。

適切な下穴径で開口する

大きすぎれば、固定が緩みます。初めのうちは気持ち小さめで下穴を開け下穴径を見極めながら作業を進める癖を
つけましょう。

最後は手締めでボードへの過負荷を避ける

インパクトドライバーで行っても良いのですが、不慣れなうちは最後手締めが間違いないです。
インパクトで加減が的確に行える人は手締めにこだわる事はありません。

まとめ

本記事のまとめ

1. ねじ込み式(軽量物)・挟み込み式(重量物)の大きく2種類がある
2. 個々の特徴を理解して適材適所を判断する
3. ボードアンカー使用の適さない場所や物がある(天井や手摺り)
4. アンカーの設置に失敗しないよう施工法のルールを守る

今回の記事はいかがでしたでしょうか?
数あるボードアンカーの中でも、実際使いやすい物を紹介さえて頂きました。
自宅や部屋を少し使いやすくしたい時に、ボードアンカーはとても心強い味方です。

ちょっと時計を飾りたい、額に入れた写真や絵を飾りたい、
小さな飾り棚を設置したい等々

ぜひ、ボードアンカー活用してみてください。快適で心地よい空間が演出できますよ。
今回紹介したボードアンカーです。

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ブログ運営者

リフォームの現場監督を15年ほど携わっています。
現役建築施工管理者として日々汗をかき、知恵を絞っています
建築の現場は多種多様な資格が必要ですね。私がこの世界に入る切っ掛けは、福祉住環境コーデネイターの取得でした。
リフォームは、一般の人には相場価格や標準的施工法がわかりにくいですね。この仕事は、大工さんが何人で何日で出来るか、なんて公式もないんですから(笑)
リフォームのわかりにくさを少しでもわかりやすくなればうれしいです。
取り上げてもらいたいテーマ等受け付けてます。

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