1. 遮熱塗料についてのポイントが理解できる
2. 選ぶポイントがわかり、悩まなくなる
遮熱塗料とはそもそもどんな物なのか!
特徴や規格について
1. 赤外線を反射する塗料機能を持った塗料のこと
2. 遮熱塗料は日射反射率50%以上のものが多い
3. 自治体によっては補助金の対象となる場合もある
遮熱塗料とは、太陽光の熱(赤外線)を反射する機能を持った塗料の事で、
正式名称は、「高日射反射塗料」(JIS 5675で規定)と呼ばれています。
大半の遮熱塗料は、特殊なセラミックを配合した成分を有しています。
日射反射率40%以上を遮熱効果があるとされていて、東京都クールルーフ推進事業では、
日射反射率50%以上を高日射反射率塗料としています。
各自治体で補助金を設けている場合は、日射反射率50%を求める場合が多く、遮熱塗装をするときは、
予算の都合もありますが、市役所等に補助金の有無を問い合わせしてみてください。
一般的な塗料との違いは、日射反射率の違いです。
一般的同色塗料に比べ、5%~40%と違うと言われています。(幅が大きいですが)
近年の夏は「猛暑」を超え「酷暑」と呼ばれる事も珍しくありません。
50代の私が子供の頃は、熱中症という言葉は聞かず、水の補給をせず午前中の部活を行い、
扇風機で夏をしのげる時代でした。今の子には分からないし、信じられないですが(余談)
遮熱塗料のメリット(効果)
1. 建物自体の表面温度上昇を抑制する
2. 室内の温度上昇を抑制する(節電効果)
建物自体の表面温度上昇を抑制する(ヒートアイランド対策)
真夏のスレート屋根材の日中表面温度は70~80度ほどになります。
遮熱塗料は、塗る色の色味にもよりますが、最大15℃前後ほど屋根の表面温度を下げます。
10年程昔になりますが、遮熱塗料が出始めた頃、塗装職人さんに聞いた時、
「触ると火傷するほどの熱さから、少し触れるようになる」と聞かされました。
屋根の表面温度が下がるという事は、当然その下の部屋の温度にも影響してきます。
室内の温度上昇を抑制する(エアコンの節電効果)
真夏の2階は日当たりの良さもありますが、2階の小屋裏の暑い温度が、徐々に2階の天井から伝わります。
一般的に遮熱塗料を塗ると部屋の温度が、真夏2~3℃ほど下がると言われます。
真夏など、エアコンを付けても2階の部屋がなかなか下がらない原因の一つに、天井裏にこもった熱気の温度影響があります。
他の記事でも書きましたが、10年前に遮熱塗料を使って、元々黒色の屋根を薄いグレーに塗ったお客様が同じ時期で「2階の部屋の温度が7℃違う」とおっしゃっていました。日記にいつも気温を記入している方で「今年はまだエアコンを付けていないんだよ。」と極端な例ですが私の経験談としてお話させていただきます。
遮熱塗料の価格目安
どんなに素晴らしい物でも、価格が気になる所ですよね。
一般的塗料に比べ割高となる
遮熱塗料は、一般的な塗料と比べると相対的に約1.3倍ほど単価が割高になります。
例えば、屋根の塗装が\2000/㎡としたら\2600/㎡という具合です。
塗料は、一斗缶で販売されるので、屋根の面積の状況によってはもう少し単価が上がる場合もあります。
調色は出来ない
一般的な塗りつぶし塗料(クリアー塗装ではない)は、色を調色して仕上げることが出来ます。
遮熱塗料は、調色は出来ません。あらかじめメーカー指定の標準色で塗ることになります。
遮熱効果を得る為の注意事項
遮熱効果を大きく左右するポイントは色
遮熱と塗料について最も大切な事(遮熱効果)を得る為に外せない事は、色です。
熱の吸収と反射に最も影響を与える事柄は塗料自体の色です。
例えば、関西ペイント「アレスクール」という遮熱塗料では、クールレベル1~5で色と日射反射率を表現しています。
最も日射反射率が高いのは、「ホワイト」でクールレベル5(日射反射率80%以上)
またもっとも低いのは、「ネオブラック」等でクールレベル1(日射反射率40%~50%)になります。
日射反射率については、色が白色に近づけば、近づくほど(明るくなるほど)遮熱塗料と一般塗料の差は無くなります。つまり、屋根を白く(明るく)塗るなら、一般塗料でも遮熱塗料並の日射率が得られる事になります。
※余談ですが、金属のガルバニウム鋼板の屋根でも、黒色か銀色かでも蓄熱される熱量が変わるのも想像出来ると思います。
瓦屋根には効果は限定的
スレート屋根や金属屋根等、屋根の野地板に密着するタイプの薄い屋根材には、遮熱塗料は効果的ですが、厚みがあり、野地板と屋根材に空間が発生するような瓦屋根には、効果が限定的になる場合もあります。
スレート屋根に欠かせないタスペーサー
タスペーサーとは、主にスレート屋根の塗装時に使用される縁切り材になります。(野球のホームベースの形をしています)
スレート屋根をそのまま塗装して仕上げると、屋根材と屋根材の隙間が塗料で塗りつぶされ、
今より狭くなります。 毛細管現象という作用が働き、雨水が屋根裏に侵入しやすくなり屋根下地材の野地板を腐らせる(雨漏り)ようになります。
また、タスペーサーを使用しなくても、縁切り工法として「皮スキ」を使い
一枚一枚塗膜で覆われた、屋根材同士を剥がす作業を行います。大変な手間になりますが、
スレート屋根の縁切り工法は、「皮スキ」か「タスペーサー」を入れるかどちらかで行います。